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「三上君ってさ、若い女子社員には大人気だけれど、私くらいの年齢の高い層には不人気なんだよね」
さおりの言葉を聞いた奈緒と恵子は、思わず顔を見合わす。
「どうしてですか?」
「うーん...どう言ったらいいのかなぁ? 策略家? 計算高い? そういうのがね、色々な経験を積んできたオバサン達には透けて見えちゃうのよ」
「えーっ? それって例えるとどういう事ですか?」
恵子が質問をすると、さおりはこう答えた。
「うーん、例えばね...相手によって態度を変えるっていうのかな? 取引先に対しても、大手には愛想が良くて、下請けには横柄な態度をとるとか? で、そういう面は、上司や女子社員には気づかれないように上手く隠すっていうのを聞いた事があるわ! 結構似たような話を複数人から聞くし......」
「それは意外~! 私達から見たら、いつも爽やかで親切で誰にでも優しいっていうイメージしかないですよね?」
「はい。私も今まではそう思っていました」
奈緒と恵子のやり取りを聞いたさおりは、フフッと笑ってから言う。
「そこがね、まだ甘ちゃんなのよっ! まあ私くらいのオバサンになったら徐々に見えてくるわよ! あとね、これはあくまでも噂だから真偽のほどは定かではないんだけれど、一応話しておこうかしら?」
「「聞きたいですっ!」」
今度は奈緒も恵子と一緒に身を乗り出して言う。
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