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その時奈緒は、ハッとした。
どうやら当時の事を思い返していたようだ。
『しっかりしなくちゃ！』
奈緒は心の中でそう呟くと、落ち着こうと紅茶を一口飲む。
そして背筋を伸ばして、またホームページに集中した。
今度受ける会社は、今までの会社ほど規模は大きくない。
しかし会社のCEOは、マスコミでも話題になるほどの有名人らしい。
奈緒も名前はなんとなく知っていたが、
深山省吾という人がどういう人物なのかは、全く知らなかった。
とりあえずホームページのCEOの挨拶のページを開く。
しかし、そこに写真はなかった。
『まあ、社長の名前くらい覚えておけば大丈夫かな...』
そう思った奈緒は、
会社の事業内容や、会社の沿革組織図にだけざっと目を通す。
あとは、転職サイトでの元社員の口コミを丁寧に見ていった。
そして、最後に会社の所在地を確認する。
「そうだ...履歴書も書かなくちゃ...」
そう呟くと、買って来たばかりの新しい履歴書を取り出し、
記入を始める。
『写真は明日撮りに行こう...』
そう思いながら、一文字一文字丁寧に記入していった。
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