銀色の雪が舞い落ちる浜辺で

1

今日は、省吾の会社の投資先の、
若者で構成されたスタートアップ企業への取材が行われた。
そこへ、出資者である省吾も呼ばれた。

小さな一企業が、メディアに取り上げてもらえれば、
何かとプラスになる。

今日取材が入った会社は、
田畑俊太(たばたしゅんた)という24歳の若者が、
大学時代に立ち上げた株式会社T・Mだ。
彼らは、これから更に人手不足が深刻化する物流業界において、
AI技術のさらなる活用とシステム構築を目指している。

俊太は大学時代に仲間５名で起業した。
鎌倉の古い倉庫を借りて、
自分達で手を加え社屋にしている。

生まれた時からネットのある環境で育った彼らの発想は、
省吾の世代には思いつかない斬新さがある。
そして彼らには、若者だけの特権とも言える
何があっても諦めない精神とパワーが溢れていた。

そんな彼らを見ていると、つい若い頃の自分を思い出してしまう。
だから、協力できる事があればなるべく協力し、
若い世代が活躍できる場を少しでも増やしてあげたい...
省吾はそう思っていた。