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省吾には、現在専任の秘書がいない。
会社を立ち上げた際には、いずれ秘書をつけようと思っていたが、
なかなか適任者が見つからないままズルズルきてしまった。
求人募集をかけて面接をしても、
ほとんどが、有名になった省吾個人に興味を持つ女性ばかりだった。
そこそこの美女たちが、
胸や足やヒップを強調した服を着て、
バッチリメイクで面接に来る。
省吾は昔から、採用面接には立ち会うようにしていた。
出張で不在の時以外は、なるべく面接に顔を出す。
秘書の面接にも何度か立ち会ったが、
残念ながら、省吾が気に入るような人材には出会えなかった。
だから、今はスケジュール管理から来客対応まで、
全部一人でこなしている。
公平が一緒の時は、公平が秘書代わりをやってくれるが、
さすがに毎日とはいかない。
公平も自分の仕事を抱えているからだ。
最近はあまりにも多忙過ぎて、
ダブルブッキングや約束の見落としなど、
うっかりミスしそうになる事も多い。
だから、そろそろ有能な秘書が欲しいと思っていた。
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