エピローグ

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その頃、省吾は公平の部屋にいた。 省吾は、奈緒と同じ店で買った手土産を公平に渡しながら言った。 「先週は助かったよ...サンキュー!」 「お前がいなくても問題はなかったから安心しろ! それよりそっちはどうだったんだ?」 「うん...奈緒と婚約した。彼女の親にも挨拶して来た」 それを聞いた途端、公平の瞳が輝く。 「そうかぁ~! それは良かった! お前もやっと結婚かぁ!」 「ああ。で、近いうちに一緒に住もうと思ってる」 「いいんじゃないか。善は急げってやつだ! 結婚式は?」 「それはこれから相談してからだな! とりあえずお前には報告だけしておこうと思ってさ!」 少し照れたような省吾の顔を見て、公平は感慨深い思いでいっぱいだった。 学生時代から苦労を共にして来た親友が、 いつまでも一人でいる事を、公平は心配していた。 省吾は仕事に集中すると、自分の事はそっちのけでのめり込むタイプだ。 若いうちはそれでもよかったが、そろそろ体調面が気になってくる年頃だ。 だから、妻が出来れば健康管理にも気を配ってくれるので安心だ。 公平はこれで漸くホッと出来るなと安堵した。 二人が結婚するという噂は、社内にあっという間に広まった。 奈緒が廊下を歩いていると、 「おめでとうございます」 「良かったですね! お幸せに!」 そんな声が、あちこちから飛んでくる。 社員達は省吾と奈緒の結婚に大賛成の様子だった。 それは、省吾が社員達から愛されている証拠でもあった。 その週、奈緒は幸せな気持ちに包まれながら、 いつもの仕事をこなしていった。
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