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____________________ 「やっぱり会社から近い方がいいよなぁ...」 「うん...家事と仕事を両立するなら、その方が助かるかも」 「あとは、子供が出来た時の事を考えて、保育園とか公園なんかの教育環境も結構重要だよな...」 「それはちょっとまだ気が早くない?」 「なんで? 結婚したらすぐ子供が出来るかもしれないだろう?」 「それはそうだけれど...」 「奈緒は子供が欲しくないのか?」 「もちろん欲しいわ!」 「俺はさぁ...一人っ子だったから、二人か三人は欲しいんだよなぁ..絶対兄弟を作ってやりたい...」 「さっ三人? ちょっとそれはしんどいかも...」 「ハハッ、二人ならなんとかいけるだろう? 奈緒、頑張って!」 「産むのは私なのよ! 他人事(ひとごと)みたいに言わないでよ!」 「ハハハハッ......」 「うふふふっ......」 ____________________ その時、奈緒の目頭がジーンと熱くなった。 「ダメダメ......過去を振り返ってはダメよ! もう忘れなくちゃ!」 奈緒はそう呟いて立ち上がると、 キッチンでマグカップを洗い始めた。
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