6

5/16
前へ
/342ページ
次へ
「「おはようございまっす!」」 「おうっ、おはよう! 二人とも今から? 今日は早いじゃん!」 「今日は帰りに合コンがあるから早出っす」 「えーっ? 井上君って合コン行くんだぁ? えっ? でも例の彼女はどうしたの?」 「先月別れたっす......」 「なんだよーもう別れたのかよぉ...もったいねぇなぁ...」 「ブランド好きの束縛系女子はやばいっす...」 「同年代に比べたら君は高給取りな方だろう? それでも駄目か?」 すると井上の横にいたもう一人が口を挟んだ。 「こいつはやっぱりオタク腐女子じゃないと駄目みたいっすね」 「うるせぇなぁ...」 「おいおい喧嘩するなよ! まぁ君たちの為に、これからオタク腐女子も積極的に採用していくから、楽しみにしてろよ!」 「マジっすか? 採用の予定あるんっすか?」 「今もれなく面接中だ! バッキバキのリケジョ腐女子を期待してろよ!」 「ういっす!」 「楽しみだなぁ~」 二人がニヤニヤして言ったので、 杉田が声を出して笑った。 それを見た奈緒も、思わず微笑んでしまう。 この会社では、上司も部下も関係なく、ざっくばらんに コミュニケーションを取れるようだ。 先ほどの人事部の二人といい、今目の前にいる若者達といい、 相手が人事部長であっても気軽に冗談を言い合える。 なんて素敵な会社なんだろう... 奈緒はそう思った。 社員同士が競い合って険悪な関係になるよりも、 こうしてコミュニケーションを深めながら、 良い成果を生み出す環境の方が、奈緒は好きだった。 この会社がはまさにそんな会社なのだと知り、 なんだか嬉しくなった。
/342ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9345人が本棚に入れています
本棚に追加