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「「おはようございまっす!」」
「おうっ、おはよう! 二人とも今から? 今日は早いじゃん!」
「今日は帰りに合コンがあるから早出っす」
「えーっ? 井上君って合コン行くんだぁ? えっ? でも例の彼女はどうしたの?」
「先月別れたっす......」
「なんだよーもう別れたのかよぉ...もったいねぇなぁ...」
「ブランド好きの束縛系女子はやばいっす...」
「同年代に比べたら君は高給取りな方だろう? それでも駄目か?」
すると井上の横にいたもう一人が口を挟んだ。
「こいつはやっぱりオタク腐女子じゃないと駄目みたいっすね」
「うるせぇなぁ...」
「おいおい喧嘩するなよ! まぁ君たちの為に、これからオタク腐女子も積極的に採用していくから、楽しみにしてろよ!」
「マジっすか? 採用の予定あるんっすか?」
「今もれなく面接中だ! バッキバキのリケジョ腐女子を期待してろよ!」
「ういっす!」
「楽しみだなぁ~」
二人がニヤニヤして言ったので、
杉田が声を出して笑った。
それを見た奈緒も、思わず微笑んでしまう。
この会社では、上司も部下も関係なく、ざっくばらんに
コミュニケーションを取れるようだ。
先ほどの人事部の二人といい、今目の前にいる若者達といい、
相手が人事部長であっても気軽に冗談を言い合える。
なんて素敵な会社なんだろう...
奈緒はそう思った。
社員同士が競い合って険悪な関係になるよりも、
こうしてコミュニケーションを深めながら、
良い成果を生み出す環境の方が、奈緒は好きだった。
この会社がはまさにそんな会社なのだと知り、
なんだか嬉しくなった。
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