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若者二人は、エンジニアなどの技術者が多くいる29階で降りた。
その後31階に着くと、二人はエレベーターを降りた。
この階は他の階とは違い、廊下の絨毯がふかふかだ。
いかにも役員室がある階といった厳かな雰囲気に満ちている。
廊下を進んで行くと、役員室が見えて来た。
左側の一番手前がCTO・最高技術責任者の部屋で、
その隣りがCFO・最高財務責任者の部屋だった。
そして、その更に向こうがCOO・川田公平の部屋で、
その隣りのドアには『秘書室』と書かれていた。
秘書室の向こうの一番奥の突き当たりの部屋が、
CEOである深山省吾の部屋になっていた。
『すごい...偉い人の部屋ばっかり...』
前の会社にも社長や重役の部屋が集まっている階があったが、
奈緒のような一般社員は、その階にはほとんど行った事がない。
入社式の後に、社内見学で社長室を見た事はあるが、
まさか自分がそういう場所で働く事になるとは思ってもいなかった。
『ここがこれからの私の職場なのね...』
奈緒は廊下を歩きながら気の引き締まる思いがした。
そして秘書室の前まで来ると、
杉田がドアをノックして中へ入って行った。
奈緒もそれに続く。
すると、中には二人の女性がいた。
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