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「じゃあ早速、ボスに今日の予定を伝えに行くわね! まず朝来てから、ボスの一日の予定をプリントアウトします。二部取ってね。で、一枚をボスに持って行くの! 今日の分はさっき出しておいたから、これね! じゃあ今からCOOの部屋へ行きまーす!」
さおりはそういうと、秘書室のドアを開けて廊下へ出た。
恵子もプリントを持ってCFOの部屋へ向かう。
こうした一連の流れは、九時になると同時に行うようだ。
奈緒はさおりの後に続き、隣にあるCOOのドアの前に行った。
さおりが手慣れた様子でノックをすると、中から、
「はいよぉ~」
と声がした。
面接の時にいた川田公平の声だった。
「失礼します。おはようございます。今日の予定を持って参りました」
「うん、ありがとう。あっ、麻生さんも一緒か!」
「はい。本日からお世話になります。よろしくお願いいたします」
奈緒が挨拶をすると、公平はニコニコしながら言った。
「秘書のさおりさんはベテランだから、しっかり教えてくれると思いますよ! あと恵子さんもとっても優しいから、楽しく仕事をして下さいね!」
「ありがとうございます」
奈緒は笑顔でもう一度お辞儀をした。
すると、さおりが言った。
「今日って、深山さんは出張なんですよね?」
「ああ、戻りは明日の夜かなぁ? その間はゆっくり麻生さんに教えてやって! 鬼の居ぬ間にね!」
「承知しました! では失礼いたします!」
「麻生さん頑張ってね~!」
公平は笑顔で手を振りながら、二人を見送った。
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