6

10/16
前へ
/342ページ
次へ
「じゃあ早速、ボスに今日の予定を伝えに行くわね! まず朝来てから、ボスの一日の予定をプリントアウトします。二部取ってね。で、一枚をボスに持って行くの! 今日の分はさっき出しておいたから、これね! じゃあ今からCOOの部屋へ行きまーす!」 さおりはそういうと、秘書室のドアを開けて廊下へ出た。 恵子もプリントを持ってCFOの部屋へ向かう。 こうした一連の流れは、九時になると同時に行うようだ。 奈緒はさおりの後に続き、隣にあるCOOのドアの前に行った。 さおりが手慣れた様子でノックをすると、中から、 「はいよぉ~」 と声がした。 面接の時にいた川田公平の声だった。 「失礼します。おはようございます。今日の予定を持って参りました」 「うん、ありがとう。あっ、麻生さんも一緒か!」 「はい。本日からお世話になります。よろしくお願いいたします」 奈緒が挨拶をすると、公平はニコニコしながら言った。 「秘書のさおりさんはベテランだから、しっかり教えてくれると思いますよ! あと恵子さんもとっても優しいから、楽しく仕事をして下さいね!」 「ありがとうございます」 奈緒は笑顔でもう一度お辞儀をした。 すると、さおりが言った。 「今日って、深山さんは出張なんですよね?」 「ああ、戻りは明日の夜かなぁ? その間はゆっくり麻生さんに教えてやって! 鬼の居ぬ間にね!」 「承知しました! では失礼いたします!」 「麻生さん頑張ってね~!」 公平は笑顔で手を振りながら、二人を見送った。
/342ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9348人が本棚に入れています
本棚に追加