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会社へ着くと、秘書室内を軽く掃除して、
コーヒーメーカーの準備や、電気ケトルをすぐ使えるよう準備する。
準備をしていると、さおりと恵子も出勤して来た。
「奈緒ちゃんおはよー!」
「朝の準備してくれたのね! 助かるわ、ありがとう!」
二人は笑顔でそう告げると、荷物を置きにロッカー室へ入った。
そして二人が出て来ると、この日の業務が始まった。
九時になると、三人はそれぞれのボスの部屋へ向かう。
奈緒は緊張しながら、一番奥の役員室のドアをノックする。
トントン...
ノックをしても、反応はなかった。
『あれ? 今日は朝から会社にいるって聞いていたのに、いないのかしら?』
奈緒はそう思いながら、もう一度しっかりとドアをノックする。
しかし中から応答はない。
『ボスが留守の時は、机の上に置いておけばいいのよね...』
奈緒はそう思い、
「失礼します」
と声をかけてから、ドアを開けて中へ入った。
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