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「そ、それは」
……だって、だってあそこで食べとかないとあなたが全部たべちゃうでしょ!思わず心のなかで叫んでしまう。
「そのあと、とても幸せそうな顔をするんだ、君」
「な……何でそんなとこ見てるんですか」
なぜか赤面してしまう。
「それで、何が違うのかと思い、ぼくもやってみた」
はあ、とため息がでる。
「結果、手づかみで食べるのはとてもスリリングで美味しいという結論にたどり着いた」
ニコッと笑う彼。
あーもう、好きにしてと思う。何だか優等生にワルイコトを教えている不良みたいだ。
……でも、まあ、あなたがご機嫌なら俺もハッピーですから。
「……その上、手づかみだと皿もフォークも無駄に汚れないのでとても合理的で……」
ハイハイ分かりましたよ。まったく、この人ときたらいつも俺の予想の斜め上を行くんだよね。
でもそのすべてが愛おしい……。
(終)
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