雪の思い出

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「保ー♡僕にスノボ教えてー♡」 ちっせー雪だるまの様になった山村がどこか嬉しそうに俺に言い寄ってくる。 やれやれ。 これは今日は上級者コースに行くのは諦めた方が良さそうだ。 まだ初日だし、明日以降、山村の隙を突いて上級者コースに登ってやる。 「仕方ねーな…。言っとくが俺はスパルタだかんな。…鈴木も教わるか?」 「宜しくお願いします」 「やったあ!保、だーいすき♡」 山村はそう言いながら俺に抱きつこうとして、目の前で又転ぶ。 これは2人共、基礎から教えた方が良いな。 と、俺の中である考えが浮かんだ。 「鈴木、山村。今日は教えてやるから、その代わり明日は上級者コースに行かせろ」 「僕はそれでも構いません」 「うん!今日一日でスノボ乗れる様になって、明日は保と上級者コースでデートだあー!」 俺達3人はリフトに乗って初心者コースの上に向かおうと移動し出した。 山村はえらい意気込みを見せているが、スキーもスノボも付け焼き刃的に1日教わったからって、直ぐには上級者コースに行ける程甘くねー。 「デートじゃねー、デートじゃ。それに仮に今日基礎が身に付いたとして暫くは初心者コースで滑れ。雪山を甘く見ると怪我するぞ」 「山村先輩、今日千夜くんに基礎を教わったら明日は僕と2人で初心者コースを滑りませんか?」
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