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「そんなぁ…。だって、明日の天気予報も1日中晴れだって言ってたよう」
「山村先輩、山の天候は変わり易いんです。突然吹雪になる可能性もあります。山村先輩が万が一遭難したら大事になりますよ?」
「鈴木の言う通りだ。命在っての物種だし、レスキュー隊を出動させたら大勢の人間に迷惑が掛かるだろうが」
鈴木と俺に言われ、シュンとしてた山村だったが早くも気を取り直したらしい。
リフトに辿り着いた頃には、いつもの笑顔に戻っていた。
「じゃあ、保ー♡今夜、一緒に露天風呂入ろー?雪が見えて綺麗なんだって!」
そういや鈴木の話だと俺等が泊まる旅館は外に露天風呂が在って、しかも確か混浴だった筈だ。
雪景色もいいが女の裸を見るのも悪かねー。
「わーった。鈴木も入るだろ?」
「い、いえ。僕は部屋の小さなお風呂にしようかと…」
混浴の事を覚えているのか、女に免疫のない鈴木は及び腰だ。
それをいうなら山村も同じ筈だが、奴は混浴の事は忘れているらしい。
「鈴木くん!せっかく温泉旅館まで泊まりに来たんだから、一緒に入ろうよ!」
山村に腕を引っ張られて、鈴木は危うく転倒しそうになる。
「わ、解りました。解りましたから、余り引っ張らないでください…」
そうこう話している内に俺等がリフトに乗る番になった。
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