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「妙な波動は、あの男から出てましたわ。人の心を震わすのは、磬子(けいす)の音に乗せた、あの男から出る共振(きょうしん)波動だったのですわ。あの男自分の事を、超能力者と言ってましたもの」  そう言いながら、スマホで時間を確認する紅華(べにか)。 「そろそろ電車の時間です。また、面白いことがあったら呼んでくださいね」  手を振りながら赤芝紅華は、改札口に消えていった。 「できれば、赤芝とはもう会いたくないね……。ねえ、美加(みか)ちゃん……? どうしたの?」  美加は、プラスチックの破片を持ったまま青い顔をしている。 「あの共振現象が京山(きょうやま)自身の能力なら、磬子を壊したぐらいじゃ事件は終わらないよ。また、違う『鳴り物』を使って同じような事件を起こすかも……」 「その時はさあ、また赤芝先輩にご登場願えばいいんじゃない?」  美沙(みさ)は、紅華の消えていった改札口を見た。 「もしその時、京山と赤芝さんが協力して共振したら……さらに恐ろしいことになるかもしれないよね……」  自分の腕を抱きしめ、震える美加だった。  終
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