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「貴方をダメと呼ばずなんと呼ぶのです。私、使用人達に手を出すのはやめてくださいと、百回はお伝えしました。女癖が悪い王子がいると話が広まって、女性の働き手が来なくなってしまったのですよ。王妃様が嘆いておられました」
「目の前に山があったら登るだろう。目の前に乳があったら揉むのもまた」
ダン! ダン! ズガン!!
さらに三発打ち込まれ、ダミアンが床に突っ伏した。
三十秒後、ようやく起き上がったダミアンがぐちぐち言いながら起き上がる。
「はぁ、はぁ、……………あ、アリーナ。武力行使は次期王妃としてどうかと思うんだ。穏便に事を運ぶべきでは」
「何をおっしゃいます。立てば弾幕、座れば爆弾、歩く姿は殺戮兵器と言われるこの私ですわよ。百回話して覚えないなら撃つしかないではありませんか。陛下と王妃様以外に物申せる人間は私しかいないなら、役目を全うするしかないでしょう?」
両手に魔導銃を持ちながら、極上の笑みを浮かべるアリーナ。
その姿を、ダミアンは密かに悪役令嬢と呼んでいる。
やる気が起きないと言っては家庭教師の授業を抜け出し、剣術の訓練も眠いから嫌だと言って五回に五回サボる。
アリーナは今日も、訓練の時間なのに行方をくらませたダミアンを探していたところだった。
「あれも嫌これも嫌で逃げてばかり。貴方に国を預けるのは不安でしかありませんわ。王子なのですから、もっと国の未来を考えてくださいな」
アリーナが両手をパンパンと叩くと、控えていた兵が二人、ダミアンの腕を左右からとらえた。
「そのまま訓練場までお連れするのです」
「はい、アリーナ様!」
「お前ら離せ、俺は王子だぞ!」
「ご自分の義務を全うしてくださいな。次にメイドたちの胸を揉んだら去勢しますわよ!」
「種無しになるなんていやだぁぁーーーーーー。もちもちおっぱいを揉み足りないーーーーー!」
ダミアンは阿呆なことを叫びながら連れて行かれた。
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