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「この雨はヤバイな」
近くの声が聞こえた。
「おい、おそらくここはダメだ!聞こえてるなら避難しろ!」
誰かが僕に呼び掛けてくれた。
ここを離れたくはなかったが、これ以上は本当に耐えられそうにない。
とは言え、どこに向かえばいいのか、とりあえず誰かに聞こうと思った。
「どこに避難するんです!?」
しかし、皆は一様に右往左往動き回っていて統制は取れていない。
僕は避難する集団の一団の後を追うように動き始めた。
そのあと、少し離れた場所で、集団の動きが止まった。
「ここからははさらに奥へ行く!皆は離れないように!」
奥へ行くと言うのか、確かに外に出るよりは今と環境と変わらないはずだが、この雨の勢いが奥まで及ばないという保証はない。
ぼくは迷っていた。
かつての家族のように外へ出るのか、はたまた同じく奥へ行くか・・
そうしている間にも辺りは水浸しになり、体の半分以上は浸水していた。
これ以上ここにいてはいけない・・
ぼくは・・
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