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集団から離れて外を目指した
外に出れば、あの日何が起きていたのか、わかるかもしれない。
それにこれだけの雨なので太陽も隠れているはずだ。
ぼくは懸命に水に逆らい、身体をいっぱいに動かしながら地上を目指した。
当たり前ながら水の勢いは増していく。
押し流されそうになりながら、何とか歩を進める。
やがて轟々とした水の流れの先に、感じたことのない風の流れを感じた。
きっとあの先だ!
ぼくは懸命に動いた。
そして、
とうとう地上にたどり着いた。
そこはもはや荒れ狂う水の中で、ただ世界がどこまでも広がっていた。
ここに、ここにみんな来たのか・・
あまりに広い、広すぎてどこに行けばいいのか検討もつかない。
雨は少し勢いが弱まっている気がする。
ひとまず雨が少ない場所へと向かうことにした。
あの辺りはなぜか雨が溜まっていない。
あそこで少し休んで、そして落ち着いたらまた棲みかに戻ろう。
ぼくはそう思い、進んだ。
そして雨の溜まらない不思議な場所で雨の過ぎるのを待つことにする。
こんな場所があるなんて・・
やがて雨は止んだ。
安心してぼくは戻ろうとするが、この場所は、一体どうしたというのか、身体を思うように動かすことが出来ない。
なんだというのか。
そうこうしている間に、雲の間から太陽が現れた。
まずい、このままでは。
しかし、ぼくの身体は自由が効かなくなっていた。
太陽の光はぼくの身体を照りつけ、水分を奪っていく。
気が遠くなってきた。
みんな、同じ目に合ったのだろうか。
だから戻って来れなかったのだろうか。
どうして、どうしてすすめないんだ
意識がなくなってきた。
こんなことならあの一群と一緒に奥へ行けばよかったのだろうか・・
そうすれば太陽に照らされることもなかったはずだ・・
後悔しても遅い・・
もうすぐぼくは
ヒカラビル・・
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