岸野side

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岸野side

「岸野、いい店知ってんのな」 「たまたまだよ、割引券もらったから」 川瀬と行きたいと思っていた、 フォレストカフェレストラン。 緑の木々に囲まれ、床に水が流れる 自然のコンセプトで作られた内装に 感激した後、 佐橋とメニューを眺めながら どう話を切り出そうか考えていた。 「俺はセットAとカンパリオレンジで。 岸野は?」 「僕はセットCとカルーアミルクにするよ」 「うん。じゃあ頼むね」 佐橋が店員を呼び、オーダーをするのを ぼんやり見ていたら、 テーブルに置かれていた佐橋のスマホが LINEを受信した。 画面に表示された宛先、向かい側に座り 反対から見た僕でもわかる相手の名前に 釘付けになった。
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