川瀬side

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川瀬side

「川瀬。もう白状しちゃえば?」 「何をだよ」 佐橋が言っている意味はわかっていた。 何故、意図的に岸野を遠ざけているのかを。 でもそれは話が重すぎて言えないと思った。 「言っておくけど、俺は岸野の敵じゃない。 どちらかと言えば味方なんだけど」 「嘘だよね、散々邪魔しておいてさ」 「それには理由があってさ」 そこまで言って、ちらっと佐橋が俺を見た。 「川瀬、俺が岸野と2人で会うって聞いて、 気が気じゃなかったんだろ?もういい加減 話しちゃおうぜ」 「話せることと話せないことが」 そう答えると、岸野が身を乗り出した。 「話せないことって何?信用できないから?」 「違う、話が重すぎるからだよ」 「川瀬、何だよ。岸野との間に割って入る のを頼んだ理由が重いのか」 佐橋があっさり口を滑らせた。 「何それ、佐橋の邪魔って川瀬が仕向けた ことなの?ひどくないか、それは」 佐橋の言葉に 岸野はショックを隠しきれない様子だ。 こうなったら、腹を括って話すしかない。 俺は大きく息を吐いた。
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