金色のスポークに励まされて

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 僕は熱々のすき焼きセットを一気に平らげた。 もちろんそれは美味かった。 美味かったけど、さっきの配達員のことを思い出していた。 彼は僕に袋を手渡して帰る時どう思っただろうか。 僕と年がそう違わないように見えたけど。 コイツぬくぬくしやがって、かな。 すでに何にも感じることなく黙々と、かな。 今に見てろよ、絶対にオマエより上に行ってみせるからな…かな。 何故そんなことが気になったのかわからないけれどいつもと違う感覚だった。 今まで来た配達員の誰よりも丁寧な言葉遣いと対応だったからなのか…。
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