金色のスポークに励まされて

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 数日ぶりに母さんたちが帰って来た。 僕は考えたことを話そうと思った。 「就職して少し落ち着いたらこの家を出て一人暮らしをしようと思うんだ」 驚く母さん。 でも、父親は「いつ言い出すか待っていたんだぞ」と言った。 「一人暮らしと言うものは、トイレットペーパーひとつから自分で用意するってことだぞ」 僕は頷いて 「そうだね、トイレットペーパーは一番大事だよね」 笑いながら、なんだか気持ちが晴れていく気がした。 菊田君のようにはいかないけれど、僕はもう良い加減、大人にならなきゃいけないと叱られたような気がしたんだ。 就職して半年が経ち僕は家を出た。 色々大変だけど、格闘しながらやっている。
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