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 ははって笑った耀くんが、スッと屈んで僕をふわっと抱き上げた。 「ありがとう碧。可愛いなぁ。ほんと、世界一可愛いな、俺の碧は」  キラキラ、キラキラと光の粒が舞うような笑顔で耀くんが言ってくれる。 「…耀くんは、宇宙一格好いい…よ?」  普段は言えないけど言っちゃう。…バレンタインだから。  耀くんが綺麗な切れ長の目を見張って、そして破顔した。 「やばい、幸せすぎて…」  どうしよう、なんて言いながら、耀くんが僕をベッドに腰掛けるように降ろしてくれた。  改めて耀くんに「どうぞ」ってチョコを渡す。 「開けていい?」 「うん。あのね、みんながね、色々考えてくれたんだ」  耀くんの長い指が金色のリボンを解いて、中からラッピングしたチョコを取り出した。  透明フィルムの袋の中に、ハート柄の可愛い紙コップを入れて、フィルムの上の方を綺麗に蛇腹に折ってリボンを結ぶ。そういうラッピング。 「可愛いね。ありがとう、碧。食べるの勿体ないなぁ」  そう言いながら中を覗いている耀くんの右手で指輪がキラッと光った。 「味は普通だよ。溶かして固めただけだし」 「ハート型に更にハートが描いてある。いいね、可愛いね」 「ちかちゃんと萌ちゃんがね、「絶対ハート!」って言ってね。だから紙コップの柄もハートなんだよ」 「はは、そっかそっか」  みんなで材料を買って作ったから、チョコペンも色々買えてカラフルにできたし、アラザンとかクルミとかもトッピングできて豪華な感じになった。 「…なんか…よかった、こんな風になって…。碧がいい子だからだな。みんなに愛されてる」 「耀くん…」  大きな手が僕の頭を優しく撫でた。 「それは耀くんもおんなじ、でしょ? みんな耀くんのこと好きだもん」 「俺ら友達に恵まれてるよなぁ」 「うん…」  耀くんが僕の額にちゅっと口付けた。そしてベッドのヘッドボードにチョコを置いた。 「あ、耀くん。知ってると思うけど早めに食べてね、手作りだから」 「ん、そうだね。じゃ一個頂こっかな」  耀くんはもう一度チョコを手に取って、リボンを解いて中から一つ、ハート型のチョコを取り出した。 「上手にできてる。売り物みたいだ」  嬉しそうに目を細めてしばらく眺めてから、耀くんは「いただきます」と言ってチョコを口に入れた。  あ、指にチョコ付いちゃってる  耀くんの方に身を乗り出して、その作りかけの指ハートみたいな親指をぺろりと舐めた。  耀くんが、ふっと笑った気配がした。人差し指を伸ばしてくれたから、その指に付いたチョコも舐める。わざとちょっと、しつこく舐めた。 「…そういうところもさ、堪んなく可愛いよね、碧」  長い人差し指に舌を這わせたまま、耀くんを見上げた。見つめ合ったまま人差し指を咥えて舐め回す。耀くんがクスッと笑って親指で僕の唇を撫でた。  キス、したい
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