小雪

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「気取っているのよ」 「どういうつもりなのかしら」 「変わってるのよ」  そんな噂を立てられ、小雪は苦労していた。  妙はそんな小雪を憐れんだ。  最近ではめっきり元気が無く、あまり笑わなくなったと、妙は認識していたのだった。  妙は小雪が専門学校に上がってから、窮する家計の足しになるように、地元の部品工場の事務員として、働きに出ていた。  その会社の福利厚生資料で見つけた小さな山荘を一晩借りて、妙は小雪をスキーに誘ったのである。  母親とスキーに行くなんて、小雪には初めてだった。  小雪は母親が、スキーを滑れることすら知らなかったのだ。
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