1人が本棚に入れています
本棚に追加
「気取っているのよ」
「どういうつもりなのかしら」
「変わってるのよ」
そんな噂を立てられ、小雪は苦労していた。
妙はそんな小雪を憐れんだ。
最近ではめっきり元気が無く、あまり笑わなくなったと、妙は認識していたのだった。
妙は小雪が専門学校に上がってから、窮する家計の足しになるように、地元の部品工場の事務員として、働きに出ていた。
その会社の福利厚生資料で見つけた小さな山荘を一晩借りて、妙は小雪をスキーに誘ったのである。
母親とスキーに行くなんて、小雪には初めてだった。
小雪は母親が、スキーを滑れることすら知らなかったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!