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「ええ、それだけは覚えてるわ。私四歳だったと思う」
小雪は恥ずかしそうに言った。
「小雪さんがそんなおてんばに育ってしまったら、お父さんに怒られると思ってね。わたし小言を言ったわね」
「ええ」
小雪はまた恥ずかしそうに返事をした。
「でもわたし、後悔しているの。小言なんか言わずに、一緒に遊んであげれば良かったと思っているのよ」
妙はしみじみと言った。
小雪は黙って、眩しそうに母親を見つめた。
それから二人は、スキー靴に履き替え、板を担いで、スキー場に歩いて行った。
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