10人が本棚に入れています
本棚に追加
1日目-3.みそマヨネーズと不幸体質
「出張!『エクレールがやってくれーる』~!」
何台ものカメラの前。
かわいい居住スペースを背後に、有輝くんが元気いっぱい叫んで拍手する。
わたしはそれを、彼の脇から見ている。
すごい。
圧倒的な存在感。
なんていうか、監督さんが「ようい、アクション」って叫んだとたん、有輝くんをとりまくオーラが変わったみたい。
「今回僕、美谷島にきた視聴者さんからの依頼は――『動物と触れあう有輝くんを見てキュンキュンしたい』ということで、都内のリリコイ動物園にやってまいりました!」
テレビで見てるときはただただかっこいいなーって見惚れていたけど、間近で見るとすごい気迫とテンションだ。見ているだけでちょっと気圧されてしまう。
その彼は今いえーいと変顔つきのピースをしている。
「今回僕と一緒に6日間を過ごしてくれるお友達は――紹介します。雪うさぎのゆっきゅんでーす!」
有輝くんがそう言うとともに、うわっ。地震?
ぐらりと視界が揺れる。
ううん。――違う。
わたしの乗っている台をスタッフさんがころころと押して、カメラの前にそっと押し出したんだ。
最初のコメントを投稿しよう!