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「照れてんの? もーさいこう」
あ、そっか。美人って、わたしのことじゃないんだ。
しゅん、とした心を体現するかのように声が漏れる。
「きゅん……」
すかさず、有輝くんがびしっと、カメラに向けて人差し指をつきたてた。
「出ました!」
わっ。今度はなに?
有輝くんはにかっと、カメラに向けて笑って見せる。
「みなさんききましたかこの声。雪うさぎで、きゅんって、ちょっと変な鳴き方をするので、ゆっきゅんって名前つけました」
そして片手でわたしを抱いたまま、片手を腰にあてて、がははと笑う。
「どーだこのセンス! めっちゃかわいいだろ! あ~、天才すぎる自分が怖い」
有輝くんったら、またふざけてる。
「うきゅきゅっ」
思わず笑いが漏れる。
でも、番組をおもしろくするためだよね。
後ろのほうでスタッフさんたちが笑いながら囁いているのがきこえる。
「ここに追加するテロップは、『自分の微妙なネーミングセンスに酔う美谷島』で決まりですね」
「いいね。ナレーションも入れたいな」
ええっ。
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