1日目-3.みそマヨネーズと不幸体質

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 人間ってばれなくて、一応はよかった……のかな?  とか思っていると、もふもふっと、頭をげんこつされる。  ごめんなさい~。 「よしっ。待ってろ」  そう言いつつ、撮影用キッチンの冷蔵庫を見て彼が作ってきてくれたのが。 「ほら、これならどうだ」  小さな小皿に入った、優しいオレンジ色の、みそマヨネーズだった。  みそマヨネーズのついたにんじんをかじると。  ほのかに甘じょっぱい風味が、口の中いっぱいに広がる。  おいしいっ。  思わずがつがつにんじんにかぶりついてしまう。 「ははは~。みそマヨの威力にグルメうさぎ破れたり!」  うう。はい。完膚なきまでに。 心で情けない涙を流しながらそれでもにんじんの咀嚼をやめられずにいると、背中を優しくさする感触を感じる。 「いきなりこんなとこ連れてこられて。そりゃ戸惑うよな」  今度は心にじーんと甘くてしょっぱくて、ほのかに痛いなにかが広まっていく。  テレビで見るのとはちょっと違う、優しい声は、ぱさぱさに乾いた心に降り注ぐ、お砂糖の雨のように。  一滴残らず、柔らかい肌に吸収されていくみたい。
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