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え。あ。
うん。……ちょっとだけ。
「でもな、これってすげーんだぜ。裏返せば、不幸に負けない強いやつってことだしな!」
ぐっと親指をつきたてる美谷島くん。
す、すごいポジティブ思考。
うらやましいくらいだよ。
ある意味感動、とか思っていると、いきなり彼の笑顔の種類が変わる。
じん、と心を動かす、優しげなものになって。
「……だから、ゆっきゅんはぜってー守るから」
どきっ。
「安心して、今はリラックス、な?」
背中を撫でられる感触と。
おなかがいっぱいにふくれているのがあわさって。
ふぇ。
なんか心地いいな。
「ふわぁぁぁぁ」
いけない。まぶたが重くなってきた。
「そうそ。いい感じだぜ、ゆっきゅん」
ささやくような彼の声はまるで優しい子守歌。
「ゆっきゅん」
有輝くん……。
「おいゆっきゅん?」
……。
彼の声がどんどん遠くなっていく。
「ちょ。まじか。それはリラックスしすぎ……!」
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