危険、区域

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『やったぁ!焼きそばパンあったしぃ!』 『マジで! てか、幻の焼きそばパンじゃん!』 私の頭上で盛り上げる二人の会話。 本当は、私が…――。 私の学校の焼きそばパン。 実は、週に一つか二つしか入らない。 だから、二人が話しているように“幻”なのかもしれない。 そのパンを先輩が食べたかったんだ。 先輩が…―――。 気の弱い私なのに。 でも、先輩の、為。 『…それ、私のですっ!』 私は、焼きそばパンを指差しながら声をあげた。
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