危険、区域

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あの時、私は先輩の腕を掴んでいて… 命令をして下さいと言って… それで私に… “焼きそば、パン” 「先輩、やっぱり言いましたよ?」 「…買えって、言ったか?」 …えっ?? 「…言ってません。って事は…」 「頼んでねぇだろ」 「で、でも何で焼きそばパンって言ったんですか?」 「…ただ」 「…えっ??」 その場に呆然として立つ私。 先輩は、何も無かったかのように私に背を向けて歩き出した。 「…」 先輩は、一体何しに来たんだろ。 わからない…。 先輩の背中を見つめる私。 まだ数時間しか経っていないのに先輩の背中を見つめるのは、二度目。 「…あっ!!」 急に顔がニヤける私。 先輩は、素直じゃないんだ。 だって歩く先輩の右手には… しっかりと焼きそばパンがあった。    
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