危険、区域

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なんだか凄く嬉しかった。 きっと心配で見に来たんだよね? 「うふふっ」 この時、私は先輩に夢中で他の視線がある事に気づかなかった。 そして、私が知らない“協定”というものに背いている事も、私は知らないでいた。 売店での出来事を胸にしまい教室に向かう私。 「おはよっ!新っ!」 教室に入るところで新の背中を見つけ声をかけた。 その声で振り向く新の顔は、なぜか曇っていた。 「り、莉子っ!」 こんなに慌てている新を見るのは、正直初めてだった。 「ど、どしたの?そんなに慌てて…」 まさか? 昨日、保健室に行ったのがバレた? ガシッ!と私の手を掴み教室に連れていかれた。
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