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「台風が直撃すると聞いたワシは、懐中電灯を買いに行った。 雨も風もきつい日じゃった。 その帰りに、あの子が倒れておったんじゃ。 足が悪いワシじゃが、なんとかおんぶをした。 何も食ってないのか、ワシでもおんぶ出来る程軽い子じゃった」 爺さんの言葉を聞いて、また疑問に思った事を問い掛けてみた。 「それなら、あなたの所に玲ちゃんは、ずっと住んでいたのですか?」 「嫌、あの子が熱が下がったくらいに、スクレのママである美里がワシの所に来た。 自分の大切な妹のような者だから、自分が引き取ると言ったんじゃ。 そう言われたら、ワシは何も言えぬ。 それにワシは美里に助けてもらった事もある。 言葉を信じた訳ではないが、美里が連れて帰る事に反対はしなかった。 それに、玲ちゃんの肩にある数字も気になったワシは、元気になったら連れて来てくれと美里に言った。 美里は約束通りに玲ちゃんを連れて来た。 それからは、時々玲ちゃんは、ワシの所に来る様になったんじゃ。 だから、ワシはあの子に言うた。 美里を腹から信用するなと」 爺さんの言葉を聞いて、俺の中にあった疑問符が1つずつ消えていく。
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