256人が本棚に入れています
本棚に追加
「あの子は、信用していないと言うた。
そして、ワシに誰にも内緒の部屋を用意するのが良いと言ったんじゃ。
だから、ワシは雑居ビルの3階の奥に他人名義で部屋を借りた。
それもあの子には教えてある。
緊急の時だけ使う為に、借りてからは1度も使ってはいなかった。
じゃが、この年になると、自分の身が危ないと分かるもんじゃ。
いつかは、玲ちゃんが迎えに来ると信じておった。
あの子が来ず、坊主が来たと言う事は、あの子は坊主を信用して教えたんじゃろう」
爺さんはそう話してから、俺に『ワシは元気じゃと伝えてくれぬか』と言ってきた。
だから『はい』と答えた。
やはり玲ちゃんを助けた爺さんで間違いはない。
最初のコメントを投稿しよう!