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爺さんは、親っさんの計らいで、今後、貴島組員の屋敷に住む事が決まった。 身よりがないらしく『世話になる』と爺さんは、親っさんに頭を下げていた。 俺は、煌蓮総本部に戻る為に『失礼します』と言って立ち上がる。 俺の言葉が聞こえないのか、親っさんと爺さんは楽しげに会話を始めている。 そんな姿を見て、そっと親っさんの部屋を出た。 人に自分の本来の顔を知られたくない場合、髭を生やす事もあるだろう。 もしかしたら、つけ髭をしていたのかも知れない。 それも玲ちゃんが爺さんに教えた事だと思う。 なら、アヤナミを操るもう1人の人物は誰だ? いや、もしかしたら俺達は本当の真実を知らないのでは? そんな疑問を頭に浮かべたまま、俺は貴島組を後にした。
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