職場へ

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ここで市役所について説明する。市役所といっても、ただの事務所ではない。タウンズビルはイニミニマニモ州にある唯一の大都市である。そのため、この市役所ではタウンズビルのことだけではなく州全てのことが事実上行われている。州役場もあるにはあるが、本庁とされている空港近くの役場には人はいない。事実上この市役所で決められている。 市役所には複数の建物がある。敷地は広く、一つの街ができるくらいだ。二人が向かう建物であるメインビルディングが一番市民にも馴染みのある建物で、窓口業務の全てを担っている。対して、周辺の建物は一般市民は出入り禁止となっている。うち一つは軍のサテライト施設となっており、ジムはそこで打ち合わせをしている。 メインビルディングは二十階建てとなっており、エスカレーターかエレベーターで移動する。仮眠室は丁度十階にあり、ジョージは週の半分はそこを利用していた。尚、女性職員はここを利用することはなく、專ら男性だけが泊まるため、シャワー室は男女の区別がない。女性職員は近場のホテルを利用するようだ。 しかし、ジョージは仮眠室が嫌いではなかった。仮眠室にはベッドと荷物置きスペースしかないが、一度ドアを閉めて鍵をかけてしまえば一人の世界になる。ジョージはそこで携帯電話に入れたお気に入りの音楽を聞きながら眠るのが好きだった。
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