お姫様を抱くように

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そして、男子が、順番に、くじを引き、カップルの女子が決まっていった。 カップルに決まった女子は、恥ずかしそうに、前に出て来て、選んだ男子の隣に立った。 その間、クラスは、いまだかつてないほどに、盛り上がった。 あたしは、ドキドキしながら、待っていた。 しかし、いつまで経っても、あたしは当たらなかった。 クラスの男子と女子のカップルは、どんどん生まれ、いよいよ最後の男子になった。 最後の男子は、「ヌボー君」だった。 ヌボーと前に出て来て、一つだけ残ったくじを引いた。 当然、残っているのは、あたしだけなので、くじを引くまでもなく、ヌボー君の相手は、あたしに決まっていたのだ。 あたしは、ガッカリした。 ヌボー君か……。 もしかしたら、サッカー部のキャプテンでイケメンの坂口君になったらいいな、なんて期待していたのだ。 その坂口君は、もう、貴島さんとカップルになっていた。 そして、あたしは、ヌボー君に選ばれ、前に出た。 一応、あたしは、ヌボー君に、挨拶した。 「よろしくお願いします……ヌボー君」 そう言ったのに、ヌボー君は、ヌボーとしたまま俯いていた。 こうして、あたしは、告白もしてないし、されてもいないのに、ヌボー君という彼氏がいきなり出来たのだった。
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