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「将大さんは今、音楽のことで頭がいっぱいさ。大事な時期だからね」
「なんだ。そのこと」
「強がりだな。心配だったくせに」
高速道路に沿って細長い公園がある。
乾ききった落ち葉を踏んでしばらく歩いた後、高架を潜って、道幅の狭い、ごちゃごちゃとした住宅街に入った。
「帰り道が分からなくなるといけないから、この辺でいいよ」
「バカにするな。ちゃんと駅まで戻れるよ」
要が「あ」と小さく呟き、木の祠の前で立ち止まる。
「京都って、歩いているとよくお地蔵さまに出会うよね」
子ども達を見守ってるのかな? と独り言みたいに呟いた。
「子どもらは、まんまんちゃん、あんって手を合わせるの」
「なにそれ? まんまんちゃん? 何がどうなって、まんまんちゃんなわけ?」
祠を覗き込み、首を傾げる。
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