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「自分で挿れられるか?」
掠れた声で訊ねると、佐木は一瞬戸惑ったような表情を見せたものの、恥じ入りながら頷く。硬く反り返った楔に手を添えて、佐木はそこに向かって腰を下ろした。
「ぁ、あっ……ぅ、……くっ」
「……っ」
少しずつ熱い体内に飲まれていく感覚に、貴島は眉根を寄せた。汗ばんだ佐木の背を支えて少しずつ導く。貴島の全てが佐木の中に収まると、どちらともなく抱き締め合った。これ以上はない程の近い距離に、安堵と幸福感が生まれる。
「……動くぞ」
貴島は佐木の両腕を自分の首筋に回させると、佐木の腰を抱えて欲望のまま突き上げた。
「あ、ぁ……ゃ、……はっ」
宣言通り手加減なしに佐木の感じる場所を肉塊で抉ると、佐木は身を震わせてすぐに達した。貴島の胸や腹を汚した自分の精液を見つめながら、「ごめんなさい」と唇を戦慄かせる。
「一回で勘弁してやると思うな」
目を眇めてそう言って、貴島は佐木の腰を抱え直した。
「ぅ、あ、ぁ、……んっ」
達したばかりで敏感な体に、無遠慮に律動を刻む。貴島が佐木の最奥を突く度に、内部はうねり、貴島の分身を締め付けた。
「大地さん……ぁ、好き、です……」
ぎゅっと貴島にしがみつき、熱に浮かされたような声で紡がれる声に、貴島はどうしようもなく興奮した。
迸る激情を一つ残さずその体に注ぎたくて、一分の隙間もない程に佐木をきつく抱き締めた。
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