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「すげぇヨさそうな顔してんな」
掠れた声でからかって、貴島は佐木の分身を指先で弄ぶ。
「あ、……っく」
自分の意思とは関係なしに、腰が上下に跳ねる。その勢いのまま、佐木の動きはより激しくなった。熱くなった体からは汗が噴き出し、濡れた声を漏らしながら身を震わせた。
自分がどこかへ行ってしまいそうだ。快楽に溺れきった頭の片隅で、僅かな恐怖が頭を覗かせる。そんな時、指先に何かが触れる。見るとそれは貴島の手だった。右手も、左手も。貴島は指を絡めて握り締めた。同じ温度と息遣いに安堵する。
その束の間、貴島がにやりと笑みを浮かべる。普段佐木をからかう時のものより、少し意地悪な顔。瞬間、思い切り下から突かれて、佐木は悲鳴に近い声を上げた。
「あっ、ん、んぅ、ぁ」
最奥を思う様突き上げられ、佐木は背をしならせる。強過ぎる快楽に涙を流しながら、貴島の激しさを受け止めた。
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