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「体も顔もこんなにエロい」
羞恥と快楽で泣き崩れた顔を、鏡越しに貴島が見つめる。
「大地さんの、所為じゃないですか……」
味わうように首筋を舐め上げられ、耳殻を食まれる。その感触にさえ、佐木は溜まらなくなって甘い声を漏らす。
「大地さんが、っ、俺をこんな風にしたんです」
貴島に撫でられただけで、体は熱を帯びる。存在さえ知らなかったものを、貴島は探り出して佐木に教え込んでいく。その指先で、唇で、体のすべてで、この体を暴いて作り変えていった。
貴島は満足そうに喉奥で笑い、一度体を離した。先程のように佐木の体を伏せさせて腰を引き寄せると、一息に欲望を押し込む。
「あぁっ、ぅ、んっ!」
肌と肌がぶつかり音が立つ。落ち着く暇なく抽挿を開始され、佐木は叫びのような声を上げた。
「ゃ、大地さ……ん、ぁっ、待っ……ん、ぅ」
「前向けよ。顔、俺に見えねえだろ」
掠れた声に、ぞわりと肌が粟立つ。
「ぅ、っ……ふ、ぁ……っ」
佐木の体のすべてを知る男が、容赦なく弱い部分を抉る。
「蕩けそうな顔しやがって……」
今にも弾けそうな佐木の分身から、とめどなく雫が伝った。
「全部、俺のだ。この顔も声も体も……全部」
その言葉に呼応するように、貴島を受け止めた最奥が何度も収縮した。
「誰にも触らせんじゃねえ」
貴島は体を倒して、強引に佐木を振り向かせると、荒々しく口付けた。無理な体勢に呻きながら、佐木は必死に貴島の舌を吸う。
はしたない声を上げ、際限なく貴島を求め、貪欲にそのすべてを啜ろうと蠢く、いやらしい体。誰に謗られても、自分自身でさえ受け止められなくても。貴島が許してくれるなら、求めてくれるのなら、どれだけ自分が淫らでもそれで良かった。貴島が望むなら、きっと自分はどこまでも堕ちてゆける。
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