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「どんな種類のわんちゃんなんですか?」
「うーん、……豆柴っぽいかな?」
曖昧な言葉にどうしてか佐木の心拍数が上がっていく。はっきりしない答えに、司会者は雑種だと解釈した様子だ。
「わんちゃんを飼っていない人にはわからないと思うんですけど、なんていうか、もうペットというより家族なんですよねえ」
「そうですね」
「でも貴島くんってクールなイメージがあるので、わんちゃんを可愛がってるところがあまり想像できないんですが……」
「そうですか? ああ、でおも俺は性格が捻くれてるんで、ついついいじめちゃいますね」
「えー、そうなんですか?」
「はい。だから未だに『お手』もしてくれませんよ」
貴島が実際に犬を飼っていないのは明らかだ。だったらそれは、一体『誰』の事を指しているのか。
「どんなに意地悪してもくっついてきて……それが嬉しくてつい試しちゃうんですよ」
「ああ! その気持ちは少しわかります」
「無防備な姿を見せられると撫で回してやりたいって、ほんとは思ってるんですけどね」
妖しい雰囲気のする笑みに、佐木背筋がぞくりと震えた。絶対にある筈がない事を想像してしまう恥知らずな自分を、冷静になれと何度も窘める。
CMを挟むと、話題は先日発売したばかりの週刊誌に触れた。
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