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「大地さんっ……、だい……ち、さ……っ」
これだけ与えられても飢餓感が消えない。むしろそれは増していく一方で、佐木は耐え切れず哀願した。
「いや……、いやです……っ、ん、ぁ」
「……あ?」
貴島が動きを止めると、佐木は身をよじり振り返った。
「この体勢じゃ、貴方を抱き締められない」
もっと感じたい。その体温も、湿った肌も、伝わる鼓動も、しなやかな体も。力強い腕で抱きとめて、キスして欲しい。欲深く卑しい己が恥ずかしいのに、こんな自分を知ったら貴島は呆れしまうかもしれにないのに、それでも佐木は我慢できなかった。
「……ごめん、なさ、い」
佐木は、しゃくりあげながら欲望を打ち明け謝罪を繰り返した。
「……っとに、お前はっ」
怒声と共に、一気に貴島が屹立を引き抜く。内壁を擦られびくびくと震える佐木の体を貴島が強引にひっくり返す。足を抱え上げ圧し掛かりながら、貴島は再び怒張を佐木の最奥へと一気に突き入れた。
「あっ……んっ、ん」
腹の奥をずんと突き上げ、貴島は佐木の唇を塞いだ。嬌声も吐息も、全てを奪いつくそうとするかのような口付けに、佐木は必死で応えた。貴島の首筋に腕を回し、その舌に吸い付く。
「煽んなっつってんのに」
貴島は唇の上で呟き、そのまま噛み付いた。
「無茶しちまうだろーが、バカ」
ちゅ、と音を立てて吸い付き、貴島の唇は離れていった。
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