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すぐそこまで
鏡から呼ばれている気がして、袋から出す。
なんだか懐かしい気がする…
『こまりさんっ』
「あ…」
鏡に映る姿は前とは違って顔の輪郭が見えるようになっていた。
だけど、まだはっきりとは見えない。
それでも近くになった気がして
「総司さん」
と名前を呼ぶ。
『…っ…すみませんでした…あれからいろいろありまして…』
「いえ…私こそ…あの…」
『……顔の輪郭…見えます。想像以上に綺麗です』
突然の言葉におもわず鏡に手を置く。
総司さんも真似をして手を置くのが微かに見える。
「あ…」
鏡越しに微かだけどぬくもりを感じる。
『っ…あったかい…まるで陽だまりにいるようだ』
総司さんにも伝わってるのかそう口にする。
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