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鈴の音
私の名前は【こまり】
あてもなく街をふらふら歩いていた。
ふらふら歩く横を足早に歩く者、幸せそうに歩く者たちが過ぎ去っていく。
【チリン】
その時、鈴の音が耳に入って来る。
なぜか気になって釣られるように鈴の音を辿って歩く。
《いらっしゃい》
「あ…こんなところにお店があったんだ」
いつの間にか一軒のお店にたどり着く。
《捜し物はこれかい?》
おじいさんはスッと短刀を差し出す。
そこには、鈴がついていた。
「あの…どうしてこれだと?」
おじいさんは目を細めて笑う。
「あの…」
《なんとなくさ。でも…この刀がお前さんを呼んだ気がしてな》
「この刀が…私を?」
そう言って、戸惑いながら短刀を受け取る。
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