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《RENG SIDE part2 = A boy wanted to die.》
どうやら俺視点の夢の中の少年は、耳が不自由らしい。
要所々々で目を凝らしているし、夢として見ている俺の立場からも、これはまるで無声映画。
夢の中の少年は、声も出せないただの置き物。
眠っても、眠った気がしなかった。
夢を見ているはずなのに、夢と思えない臨場感。
目覚めた後も気怠さが残り、眠ることが嫌になる。
耳の不自由な少年の家は、どうやらある程度は金持ちで。
だから少年は耳が不自由でも、何ひとつ自分の手でできなくても、困りごとはなかった。
それでも心の中では、自分が足手纏いだという罪悪感が渦巻き、いつでも少年を苦しめる。
いつの間にやら少年は、自分の存在を無駄だと思い、消えてしまいたいとさえ願うのだった。
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