イレーヌ・カーン・ダンベール嬢 ルノワール

1/1
前へ
/92ページ
次へ

イレーヌ・カーン・ダンベール嬢 ルノワール

cf2df00f-ebc7-4e19-880d-929d98aa7a76  絵画史上最も美しい少女である。この写真はちょっとボケている。  ルノワールの代表作の一つであるが、発注主の銀行家は気に入らず、ちゃんと部屋に飾ってなかった、というような話を聞いた。  ユダヤ系であるが第二次世界大戦を生きのびた。親兄弟は収容所で亡くなった人も多いけれど。二人目の旦那がイタリア人で、それで生き延びれたという話だ。  俺も模写したことがある。しかも結構ちゃんと描けたと思っている。肌の色味がどうしても、白人にならず、モンゴロイド系になってしまったけれど。  目だ。目が最高に難しい。というかこのルノワールの描いた目が、素晴らしすぎるのだ。まつ毛のライン、下まつ毛も丁寧に描かれている。どうやって描いたのだろうか?  口元も美しい。笑顔になる寸前のちょっとだけすました、口角と鼻から唇にかけてのライン、俺は何度描き直してもこういう風にならなかった。  庭の茂みの適当さ加減が、またルノワールらしい。  俺の模写は毛量が多すぎると嫁に言われた。毛先の部分の透け具合が本物とだいぶんと違うと。  このシルク?サテン?のドレスがまたいい雰囲気なのだ。  俺の模写は売れずにまだ我が家にある。正直ずっと家に置いておきたい一枚でもある。
/92ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加