上 レモン エドゥアール・マネ 下 プレートの上のレモン ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ

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上 レモン エドゥアール・マネ 下 プレートの上のレモン ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ

661ab36f-dbf5-4f91-86f3-f7b4b35cb009 マネのレモンである。マネらしい実直で、写実的ではあるけれど、どこか整ったところのない、飾り気のない素直なレモンのように思う。影の付け方も大胆ではなく申し訳程度のようだ。自然光というよりも、蛍光灯かガス灯などの光の下で描かれているように思う。中央ではなく右に寄せた構図に、何かしらの意図、不均衡な安心感などがあるのかもしれない。  黄色だけじゃなく、イエローオーカー系や緑がかった何かで描かれているように思う。 d6ef0cba-541d-4d73-8192-219c6d419ee7 こちらはゴッホのレモンである。英語では〈Still Life with Lemons on a Plate〉訳されており、大袈裟なタイトルのように思われる。  ゴッホ独特の筆使いで描かれていて、レモンの存在感がしっかりとあるが、ひまわりよりも黄色味が薄く、まさにレモンイエローに近い。はっきりと肉眼でわかるほど緑が使われている。筆触分割で。  影は薄く、立体感にはこだわっていない。  マネのレモンが真実のレモンならば、ゴッホのレモンは存在証明されたレモンだろうか。  どちらのレモンを食べたいか?うーん…難しいけど、マネのレモンかな?
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