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水差しを持つ女性
メトロポリタン美術館はニューヨークにある巨大な美術館だ。近現代の絵画だけではなく、古代エジプトの像から、中世のイコンとか何万点と所蔵している。
『ギャラリーフェイク』藤田玲司が働いていたのは世界有数の美術館である。
フェルメールが5点ある。そのなかで『水差しを持つ女性』を紹介したい。
なんといっても印象的なのは、フェルメールの青。ウルトラマリンブルーだ。本物のラピスラズリを砕いて使っている。どこかからひっぱってきた写真でさえ美しい。
この絵はさほど大きくない。45センチ✖︎40センチぐらいの大きさだ。それなのにこの、質感と明暗を描き分けるのだから、恐ろしい。
この絵は19世紀終わりまで、違うオランダの画家ピーテル・デ・ホーホの作品と思われていた。フェルメールは絵にサインが入っているものが少ないかという理由もあるし、フェルメールは近年になってから人気が出たので、それまでは他の作家だとする方が価値があったのだ。
この写真では細部がわかりづらいが、光の表現がいかにもフェルメールだ。水盆に映ったテーブルのペルシャ織物の模様までしっかりと書かれているし、潰れてしまってわからないけれど、テーブルの右には宝石箱から真珠がのぞいている。白い頭巾がまた素晴らしい。この白い頭巾も水差しと水盆も「純潔」の象徴である。
赤、黄、青が揃っていて、色味が華やかだ。そしてこの黄色と青の組み合わせは「真珠の耳飾りの少女」を思い起こさせる。
ニューヨークかあ、遠いなあ。壁にかかってある地図にも、乗っていないだろう。
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