僕らのん

泥棒は抽象画を描く ローレンス・ブロック

　ローレンス・ブロックの泥棒探偵「バーニー・ローデンバー」シリーズである。オリジナルのタイトルは「THE BURGLAR WHO PAINTED LIKE MONDRIAN」なのだ。そう前ページのモンドリアンである。

　ローレンス・ブロックは泥棒バーニーシリーズは軽いタッチのユーモアが散りばめられて、大変読みやすいミステリなのだが、御大ブロックが逝去されてしまって、知る人ぞ知るみたいなポジションになりつつあるのだろうか。

　ひと頃は中規模の本屋さんでもハヤカワミステリ文庫から出てるマット・スカダーシリーズなどは平積みになっていて「八百万の死にざま」は置いてないところを探す方が難しかったものだ。

　最近は本屋さん自体が半分に減ったという話をきく。寂しい話だ。本の匂いが好きだった。紙の匂いが好きだった。しかし、まあ、事情って物がある。

　「泥棒は抽象画を描く」はモンドリアンの絵画が登場する。最初にモンドリアンを知ったのはこの本を通じてだ。その頃の俺はまだ絵を描いておらず、美術にもさほど関心がなかったが、職人ローレンス・ブロックにかかっては、どんな材料も綺麗に料理してくれる。

　再読してから、ここにあげるのがいいのだけれど、それはまた機会があればということで。