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パーティは中止。
婚約者として紹介されるはずだったガウスは激高し、ヴァンドム伯爵夫人はあまりの事態に卒倒したという。召使いたちは血相を変えてマーガレットを探し回っていた。
そんな中、容疑者の一人として屋敷の絵師が槍玉にあげられた。マーガレットと二人でいたという証言に加え、彼の部屋からバラバラに破かれた絵が発見されたからだ。
フィルは地下へと引き摺られ、牛革を鞣した鞭で酷く背中を打ちつけられた。尋問は深夜にまで及んだが、どれだけ詰められても男は決して口を割ろうとはしない。
味方もおらず、あわや牢獄へ送られかけたが、状況を調査した警吏はあまりにも不確かな証拠や証言を指摘し、生贄にされかけた男を釈放した。
一難は去ったものの、一度汚名を着せられた者を伯爵が手元に残すはずもなく、フィルは解雇を言い渡された。
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